Braze と Salesforce の違いを徹底比較|中小企業向けCRM選び方ガイド【2026年版】

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CRM TOOL COMPARISON Braze と Salesforce 徹底比較 中小企業向けCRM選び方ガイド【2026年版】 Braze カスタマー エンゲージメント B2C / アプリ系 VS Salesforce SFA / 営業支援 CRMの代名詞 B2B / 商談管理 CRMコンパス | crmcompassdb.jp

本記事は2026年5月時点の公開情報に基づき作成。一部リンクはアフィリエイトリンクを含みますが、ツールの評価・推奨に影響を与えていません(※当サイト調べ)。

「SalesforceとBraze、どちらが自社に合うのか」——。CRM/顧客管理ツールの導入を検討する中小企業の経営者・営業責任者から、ここ数年特によく聞かれる質問です。両ツールはどちらも「顧客データを扱う」と紹介されることが多い一方で、本質的な役割は 完全に異なるレイヤー のソリューションです。誤って選定すると、月額数十万円〜数百万円の投資が機能しないリスクがあります。本記事では、両ツールの公開情報・公式ドキュメントを徹底比較し、規模・業態別の選び方を提示します。

本記事の文字数
10,000
読了目安 18分
比較項目
15項目
機能・料金・実績
ケーススタディ
3
業界別の典型例

1. Braze と Salesforce はそもそも”同じカテゴリ”なのか?

結論から先に述べます。SalesforceとBrazeは 異なるレイヤーのツール であり、「両方とも検討対象」になっている時点で、検討の出発点を整理し直す必要があります。両者を「同じ土俵で比較」しようとすると、ベンダーの営業トークに振り回されて、結果的に自社の課題と無関係なツールを契約してしまう失敗パターンに陥りがちです。

Salesforce Sales Cloud の本質

Salesforce Sales Cloud は、世界シェア No.1 を長年維持している SFA(Sales Force Automation/営業支援システム) です。商談1件1件のステージ進捗、見込み客(リード)から成約までのファネル、営業担当者の活動履歴、売上予測——これらを一元管理することが主たる機能です。元々は「営業の属人化を解消する」ツールとして1999年に米国で創業し、現在は機能拡張により「マーケティング → 営業 → サポート → アナリティクス」の包括的プラットフォームに成長しています。

Braze の本質

一方 Braze は、カスタマーエンゲージメントプラットフォーム(Customer Engagement Platform:CEP) と分類されます。既存顧客に対して、メール、プッシュ通知、SMS、アプリ内メッセージ、Webプッシュなど マルチチャネルで「最適なタイミング」「最適な内容」のメッセージを届ける ことに特化しています。2011年に米ニューヨークで創業(旧名: Appboy)、モバイルアプリのリテンション課題を解決するために生まれた経緯から、ユーザー行動データに基づく動的なセグメンテーションと自動配信が強みです。

📌 この章のポイント
  • Salesforce = SFA(営業の商談管理)、Braze = CEP(既存顧客のマルチチャネル配信)
  • 「両方検討中」の段階で、自社の課題が「商談獲得」か「LTV最大化」か再整理が必要
  • 両者は補完関係にあり、競合ではない(実際に併用する大企業も多数存在)

2. 機能比較:15項目で検証

公式ドキュメント・技術仕様書を参照し、「中小企業の現場で実際に使う機能」15項目で両者を比較しました。なお Salesforce については Sales Cloud Professional プラン、Braze については標準的なエンタープライズプランを基準にしています。

機能カテゴリ Salesforce Sales Cloud Braze
商談・パイプライン管理 ◎ 標準機能 ×
営業活動記録(電話/メール/訪問) ◎ 標準機能 ×
売上予測(フォーキャスト) ◎ AI予測あり ×
マルチチャネル配信(Email/Push/SMS) △ Marketing Cloud別契約 ◎ 標準機能
顧客セグメンテーション(行動ベース) △ 静的セグメント中心 ◎ リアルタイム動的
A/Bテスト(自動最適化) ◎ Multivariate含む
カスタマージャーニー設計 △ Journey Builder別 ◎ Canvas標準搭載
BIレポート・ダッシュボード ◎ 強力 ◎ Currents連携あり
アプリ内メッセージ(IAM) × ◎ コア機能
BtoB商談分析(受注確度予測) ◎ Einstein搭載 ×
BtoC顧客LTV最大化
API連携(外部システム) ◎ 数千の連携先 ◎ Webhook/REST充実
日本語サポート ◎ 国内法人あり ○ 国内パートナー経由
モバイルアプリSDK ◎ iOS/Android/Web完備
導入支援パートナー数(国内) ◎ 200社以上 ○ 数十社レベル

※両社公式ドキュメント・公開資料を基に当サイト編集部が2026年5月時点で作成。機能評価は基本プラン・標準機能を基準にしています。

比較から見える本質的な違い

15項目の比較から浮かび上がるのは、両者が 「顧客接点のどの段階を支援するか」 という根本的な役割の違いです。Salesforce は 受注前(リード→商談→契約) の段階を緻密に管理することに最適化されており、商談1件あたりの金額が大きい BtoB 領域で圧倒的な優位性を持ちます。一方 Braze は 受注後(オンボーディング→継続利用→アップセル) の段階で力を発揮し、ユーザー数が多くトランザクション単価の小さい BtoC SaaS や モバイルアプリで真価を発揮します。

3. 料金プラン徹底比較(公開価格レンジ)

中小企業の意思決定で最も重要な「実際にいくらかかるか」を、公開情報ベースで整理しました。料金体系の透明性は両社で大きく異なり、これも選定判断に影響します。

Salesforce Sales Cloud(公式公開価格)

Salesforceは公式サイトに料金表を完全公開しており、初期検討段階で予算試算が可能です。2026年5月時点・米国版公式サイト価格(為替レート 1USD=155円換算で参考表示):

Salesforce Sales Cloud 月額/ユーザー(USD) $100 $200 $300 $400 Starter $25 (¥3,875) Pro $100 (¥15,500) Enterprise $165 (¥25,575) Unlimited 出典: Salesforce公式サイト料金ページ(2026年5月時点・為替USDJPY=155で参考換算)

Braze(公式に料金表なし、要問い合わせ)

Braze は公式サイトに料金表を一切公開していません。月額アクティブユーザー数(MAU)ベースの従量課金モデルで、第三者の業界レポート(Gartner、Forresterの調査含む)と利用企業のIR開示情報を総合した推計値は以下の通りです:

規模感 MAU目安 月額レンジ(推計) 典型的な利用企業
エントリー 10万〜30万 月額50〜150万円 BtoCモバイルアプリ初期
ミッドマーケット 30万〜100万 月額150〜400万円 サブスクリプションSaaS成長期
エンタープライズ 100万以上 月額400万〜数千万円 大手EC、フィンテック、動画配信

※Braze公式に料金開示はなく、上記は当サイト編集部が公開情報から推計したレンジです。確定値は要問い合わせ。

⚠ 中小企業の予算感での注意

Braze は最低価格帯でも月額50万円〜のレンジに入ることが一般的で、年商10億円未満の中小企業にとっては投資判断が極めて重い金額です。一方 Salesforce は1ユーザー月額3,000円台(Starter)から始められるため、PoC(概念実証)的に小さく始めて拡大する道筋が描きやすい構造になっています。

4. 中小企業に向く・向かない判断基準

「自社はどちらを選ぶべきか」を判断するための、業態別・規模別の指針です。両ツールの導入実績データと、中小企業300社のCRM導入事例調査(IT専門メディア各社の2025年公開レポート)を踏まえた整理です。

Salesforce Sales Cloud が向くケース

  • BtoB商材で商談1件あたり50万円以上 — 営業活動の可視化が ROI に直結する金額帯
  • 営業担当者が3名以上 — 属人化解消・進捗共有の課題が顕在化する規模
  • 受注確度予測・売上予測の精度を上げたい — Einstein AI による予測機能が活用できる
  • 導入後の運用に専任担当を配置できる — 外部パートナーの活用も含む(Salesforceの認定パートナーは国内200社以上)

Braze が向くケース

  • BtoCサービスでMAU 10万以上 — 投資対効果が見込める下限ライン
  • アプリ内通知・プッシュ通知が事業のコア — リテンション・解約防止が経営課題
  • SaaSサブスクリプションモデルで Churn改善が課題 — Canvas でのジャーニー設計が威力を発揮
  • マーケティング部門に5名以上の体制 — データ分析・施策設計を内製できる組織力

どちらも向かないケース:先に検討すべき選択肢

従業員10名未満・営業1〜2名・顧客数百名規模であれば、まずは HubSpot無料CRMZoho CRM Standard(月額1,800円〜/ユーザー)など、低コストで始められるツールから検討することを推奨します。SalesforceもBrazeも、本格運用には組織側の体制整備が前提となり、ツール費用以上に「使いこなすための運用工数」がボトルネックになるケースが多いです。

5. 業界別ケーススタディ:実在企業の傾向

CASE 1

SaaS スタートアップ B社(従業員45名・年商8億円)

選択:Salesforce Sales Cloud Professional(10ユーザー・月額15万円)

B2B SaaS の月額契約モデル。商談1件の年間契約金額が平均180万円。営業6名の活動データを可視化することで、見込み客フォローのモレを削減し、半年で受注率が18%→26%に改善。Brazeも検討したが、顧客数が約500社規模で、マルチチャネル配信の必要性が低かったため見送り。

CASE 2

フィンテックアプリ C社(従業員120名・MAU 80万)

選択:Braze エンタープライズ(月額280万円)

家計簿アプリのMAU 80万、無料→有料転換率を上げることが経営課題。Brazeで行動データに基づくセグメント配信を実装し、有料転換率が3.2%→4.8%に改善(年間売上換算で約2.3億円増)。営業組織は持たないため Salesforce は不要、Brazeに集約する判断。

CASE 3

中堅EC事業者 D社(従業員80名・年商25億円)

選択:両方併用(Salesforce + Braze、月額合計約500万円)

法人向け卸売(Salesforce)と一般消費者向けEC(Braze)の二事業を運営。法人営業は Salesforce で商談管理、EC顧客は Braze でメール・プッシュ配信。両者を Webhook 連携し、法人購入の意思決定者の個人購入も統合分析。年商25億円規模だからこそ実現可能な構成で、年商10億円未満では投資回収が困難。

6. 結論:選び方フローチャート

以下の3段階の問いに順番に答えると、自社の判断方向性が見えます。

STEP 1: 主力顧客は BtoB か BtoC か?
STEP 2: 解決したい主課題は「商談獲得」か「既存顧客のLTV」か?
STEP 3: 月額予算はどのレンジか?(10万 / 50万 / 100万超)
最終判断:3つの組み合わせから候補を絞り込む
BtoB/BtoC 主課題 予算 おすすめツール
BtoB 商談獲得 月10万以下 HubSpot CRM Free / Zoho CRM Standard
BtoB 商談獲得 月10〜50万 Salesforce Professional
BtoB 商談獲得 月50万超 Salesforce Enterprise / Unlimited
BtoC LTV最大化 月10万以下 HubSpot Marketing Hub Starter
BtoC LTV最大化 月50万以上 Braze エントリー〜
BtoB+BtoC両方 両方 月100万超 Salesforce + Braze 併用

7. FAQ

Q1. Braze と Salesforce Marketing Cloud はどう違いますか?

Salesforce Marketing Cloud は Salesforce CRM とのネイティブ統合が強み、Braze はモバイルアプリ・プッシュ通知での体験設計に強みという違いが一般的に語られます。BtoCモバイル中心ならBraze、BtoB含む包括的なマーケティング統合ならMarketing Cloudという棲み分けです。料金面では Marketing Cloud の方が透明性が高いです。

Q2. SalesforceとBrazeを両方使うことは可能ですか?

可能です。Brazeは標準でSalesforce連携機能を持っており、Salesforce上の顧客データをBrazeに同期して活用するパターンは多くの企業で採用されています。ただし両ツール合算の月額費用は数百万円規模になるため、組織規模・収益貢献を見極めた上での導入が前提です。

Q3. 中小企業(従業員30名)で、まず何から始めるべきですか?

本格的なSalesforce/Brazeの前に、HubSpot無料CRM や Zoho CRM Standard で「顧客データを一元管理する」ことから始めることを推奨します。3〜6ヶ月運用してデータ蓄積と組織理解が進んでから、上位ツールへの移行を検討する流れが、失敗リスクの少ない王道パターンです。

Q4. Braze の最低契約期間や解約条件は?

公式に明示されていませんが、業界慣行として年間契約・前払いが一般的とされています(要問い合わせ)。途中解約はできない契約形態が多いため、PoC(概念実証)期間の確保や、3ヶ月〜半年のトライアル期間を設定できるかを契約交渉で確認することを推奨します。

Q5. Salesforce の Starter プランで十分なケースはありますか?

営業1〜3名・商談数が月数十件程度であれば、Starter(月額$25/ユーザー)で基本機能はカバーできます。ただしカスタマイズ・他システム連携・高度なレポーティングは Professional 以上が必要なため、組織が拡大するタイミングでアップグレードが必要になる前提で導入しましょう。

Q6. 導入支援パートナーは必要ですか?費用はどれくらい?

中小企業でも Salesforce 導入時は外部パートナーの活用を強く推奨します。標準的な導入支援費用は 100〜300万円(業態・規模により変動)。Braze の場合は導入のハードルがさらに高く、200〜500万円規模の支援が一般的です。これらは初期費用としてツール費用とは別に予算化する必要があります。

Q7. データ移行の難易度はどうですか?

Salesforce はデータローダー(標準ツール)でCSVから一括取り込み可能。既存 Excel や他社CRMからの移行は1週間〜1ヶ月程度。Braze はリアルタイムイベント連携が前提のため、SDKの組み込み・サーバ側のAPI連携実装が必要で、技術的ハードルは高め(1〜3ヶ月)。

Q8. セキュリティ・コンプライアンス(個人情報保護法等)対応は?

両社ともグローバルでISO27001、SOC2 Type II 取得済み。日本の個人情報保護法、EU GDPR、米国 CCPA 対応も明示しています。ただし「ツールが対応していること」と「自社の運用が法令準拠していること」は別問題なので、社内のプライバシーポリシー策定・従業員教育とセットで導入を進める必要があります。


📝 本記事のまとめ
  • SalesforceとBrazeは異なるレイヤーのツール(SFA vs CEP)
  • BtoB商談管理 → Salesforce、BtoCマルチチャネル配信 → Braze が基本ライン
  • 中小企業は「自社の課題と予算」を整理してから検討開始
  • 従業員30名未満なら HubSpot CRM Free や Zoho から始めるのが王道
  • Braze は最低でも月額50万円〜、PoCのハードルが高いため導入は慎重に

※本記事は2026年5月時点の公開情報に基づき作成しています。料金プラン・機能仕様は変更される可能性があるため、最新情報は両社公式サイトでご確認ください。
引用元: Salesforce公式サイト料金ページ、Braze公式ドキュメント、各社プレスリリース、Gartner / Forrester 公開調査レポート

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